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【令和8年10月改正】ハラスメント法改正のポイントとは?

Date: 2026/08/25

こんにちは、ワールドワイド社労士事務所です。

令和8年(2026年)10月1日施行の改正労働施策総合推進法により、これまで努力義務にとどまっていた「カスタマーハラスメント(カスハラ)対策」および「求職者等に対するセクシュアルハラスメント(就活セクハラ)対策」が、すべての事業主に対して義務付けられます。
大企業だけでなく、従業員を1人でも雇用する中小企業や個人事業主も例外なく義務化の対象となります。

「うちの業界は顧客トラブルが少ないから大丈夫」「パワハラ窓口があるからそのまま使えるだろう」と楽観視していると、いざトラブルが発生した際に十分な対応ができず、重大な法的・経営的リスクに直面する恐れがあります。
今回は、ハラスメント法改正のポイントと放置リスク、人事担当者が施行日までに取り組むべき具体的な実務手順を分かりやすく解説します。

■ 1. 令和8年10月ハラスメント法改正の背景と2つの大きな変更点

近年の著しい理不尽な客からのクレームや、就職活動中の学生に対する立場を利用したハラスメントが深刻な社会問題となっています。
これらを受け、労働者の就業環境を保護・整備することを目的として労働施策総合推進法が改正され、令和8年10月1日より施行されます。

今回の改正における主な変更点は以下の2点です。

1. カスタマーハラスメント(カスハラ)対策の義務化
顧客や取引先、施設利用者などからの社会通念上許容される範囲を超えた言動(不当な要求、暴言、土下座の強要など)から従業員を守るため、企業に雇用管理上の措置が義務付けられます。
店舗接客業だけでなく、BtoBの取引先対応や電話問い合わせ窓口を持つ全業種・全企業が対象です。

2. 求職者等に対するセクシュアルハラスメント(就活セクハラ)対策の義務化
従来のセクハラ防止措置は「自社の労働者」が対象でしたが、改正により「採用応募者(就活生)やインターンシップ参加者など」も保護対象に加わります。
採用面接時やOB・OG訪問時などにおいて、求職者等に対して不適切な言動が行われないよう予防・対応策を講じることが義務化されます。

■ 2. 対策怠勢がもたらす企業リスクとデメリット

「制度の変更に気づかなかった」「社内体制の整備が間に合わなかった」として法律で求められる措置を怠った場合、企業は大きな不利益を被ることになります。

1. 行政指導および企業名の公表
今回の法改正において直接の罰則(罰金など)は定められていませんが、義務違反に対しては厚生労働省(労働局)からの助言・指導・勧告の対象となります。

2. 安全配慮義務違反による損害賠償リスク
カスハラや就活セクハラが発生した際、企業が放置したり適切な配慮を怠ったりして従業員や求職者がメンタル不調に陥った場合、裁判で「安全配慮義務違反」に問われる可能性があります。

3. 早期離職と採用活動への悪影響
悪質な顧客対応で現場の従業員が孤立し疲弊すると、離職率の上昇や職場環境の悪化に直結します。
また、就活セクハラなどがSNS上で拡散された場合、求職者からの信頼を失い、今後の採用活動において致命的な打撃を受けることになります。

■ 3. 人事担当者が行うべき具体的手続きと準備手順

施行日である10月1日に向けて、人事労務担当者が取り組むべき具体的手順を整理します。
厚生労働省の指針に基づき、企業は以下の3つの柱に沿って体制を構築する必要があります。

【ステップ1】事業主の方針明確化と社内周知・啓発
「カスタマーハラスメントおよび就活セクハラを許容しない」という経営陣の方針を明確にし、就業規則(ハラスメント防止規程など)への明文化や社内ガイドラインの策定を行います。
どのような行為がカスハラに該当するかの基準や対応方針をまとめ、全従業員へ周知・教育しましょう。

【ステップ2】相談体制の整備と窓口の周知
被害を受けた従業員や求職者が安心して相談できる窓口をあらかじめ設置・指定します。
ゼロから新窓口を作る必要はなく、既存のパワハラ・セクハラ相談窓口にカスハラや就活セクハラの相談機能を追加・統合する形でも問題ありません。
窓口担当者がプライバシーに配慮しつつ適切に対応できるよう、相談対応マニュアルの整備や研修を実施します。

【ステップ3】事後の迅速・適切な対応と被害者への配慮
万が一トラブルが発生した際に、事実関係を迅速に確認し、被害者に対する配慮(メンタルヘルスケアや複数人対応への変更など)を適正に行える体制を整えます。
また、相談したことを理由として解雇や不利益な取り扱いを行うことを禁止し、その旨を社内に徹底します。

■ 4. 現場を守る今後の予防策と運用改善のポイント

規程や窓口を形だけで整えるのではなく、現場で実効性のある運用を行うことが重要です。

1. 1人に抱え込ませない対応体制の構築
悪質な顧客対応においては、現場の担当者1人に交渉や対応を任せず、複数名での対応や上司への即時引き継ぎ・エスカレーションのフローを明確に定めておくことが不可欠です。
必要に応じて防犯カメラや録音装置の導入、弁護士・警察等の外部機関との連携ラインの構築も検討しましょう。

2. 採用担当者・面接官への教育徹底
就活セクハラを防止するため、採用面接官やOB・OG訪問を担当する従業員に対し、不適切な質問や密室での面談を避けるなどのガイドラインを周知徹底します。

■ さいごに

令和8年10月1日施行のハラスメント関連法改正は、単なる法令遵守にとどまらず、大切な従業員や企業のブランド価値を守るための極めて重要な取り組みです。
施行日までの期間を活用し、自社の規程や相談窓口、対応手順が最新の法的基準に適合しているかを改めて確認しておきましょう。

「就業規則やハラスメント防止規程の見直し方がわからない」「自社に合わせたカスハラ対応マニュアルの作成や社内研修の実施を依頼したい」などでお悩みの際は、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。

ワールドワイド社労士事務所
公式サイト:https://w-wide.co.jp/