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[労務]「1分単位」の勤怠集計は義務?

Date: 2026/6/1


 
こんにちは、ワールドワイド社労士事務所です。

「うちの会社では、残業時間は15分単位で計算して、端数は切り捨てているよ」

「タイムカードは30分単位で集計するのが普通じゃないの?」

実は、このような運用をしている企業様は、非常に高い確率で法律違反を犯している可能性があります。

労働基準法上、労働時間は原則として「1分単位」で計算して支払わなければなりません。

軽い気持ちで行っている日々の「切り捨て計算」が、

将来的に数百万〜数千万円に上る莫大な「未払い賃金リスク」を発生させる原因となります。

今回は、勤怠集計における法的なルールと、

切り捨て計算がもたらす恐ろしいリスクについて解説します。

 

 

 
 

■ 1. 労働時間の「1分単位」集計は本当に法律上の義務なのか?

 
 

労働基準法第24条には「賃金全額払いの原則」が定められています。

この原則に基づき、従業員が労働した時間は

1分単位で集計し、そのすべての時間に対して賃金を支払う義務が会社に課せられています。

「毎日たった数分の残業だから切り捨てても構わない」といった現場の慣習は、

法律上一切認められません。

労働時間とは、会社の指揮命令下に置かれているすべての時間を指すため、

朝の始業前の清掃や朝礼への出席時間、業務終了後の着替えの時間なども、

指示されているのであれば労働時間に含まれ、すべて1分単位でカウントする必要があります。

 
 

■ 2. よくある勘違い「15分単位・30分単位」切り捨て計算の違法性

 
 

世の中で非常に多く見られるのが「勤怠集計は15分単位(または30分単位、10分単位など)で行い、

未満の端数は切り捨てる」という運用です。

しかし、この「労働時間の切り捨て」は違法な管理となります

例えば、14分残業したのに15分未満としてゼロに切り捨てる行為は、

1労働に対する賃金未払い(労働基準法違反)になります。

一方で、「15分未満の端数を『切り上げる(15分として支払う)』」処理は、

労働者に有利であるため適法です。

例外として行政通達により認められているのは、

「1ヶ月における時間外労働等の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合、

30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる」

ことだけです。

 
 

■ 3. 塵も積もれば山となる「未払い賃金リスク」と過去への遡及請求

 
 

「1回あたり数分、数百円の切り捨てだから大した問題ではない」

と甘く見るのは極めて危険です。

なぜなら、労働時間の切り捨て処理は組織的かつ継続的に行われるため、

全従業員の合計金額は想像を超える巨額の未払い残業代へと膨れ上がるからです。

さらに、法改正によって未払い賃金請求権の消滅時効期間が「当面3年(将来的には5年)」

延長されました。

もし元従業員や労基署から過去3年分の是正を求められた場合、

対象となる人数が多ければ数百万〜数千万円規模の遡及支払いを一括で命じられることになり、

会社の資金繰りを一瞬で破綻させるだけのリスクがあります。

 
 

■ 4. 適切な勤怠システム導入と現場の運用ルール適正化ステップ

 
 

この巨大な未払い残業代リスクを解消するためには、

勤怠集計システムと現場の運用の見直しが不可欠です。

まず、給与計算ソフトや勤怠管理システムの集計ルール設定を確認し、

端数処理を「切り捨てなし(1分単位で集計)」または「適法な切り上げ設定」に変更します。

同時に、現場でのだらだら残業や「タイムカードを押した後に仕事を続ける」といった

隠れ残業を防ぐため、残業は原則として事前申請・許可制にするルールを就業規則に明記し、

徹底させます。1分単位の集計を導入すると一時的に残業代が増えるように思えますが、

不要な残業を申請段階で厳しく管理・抑止できるため、

結果として労働時間の適正化と残業コストの削減につながります。

 

 

■ さいごに

勤怠の1分単位集計は、現代の労働環境において避けては通れない法的要件です。

従来の慣習で15分単位の切り捨てを行っている場合、

放置するリスクは日を追うごとに増大していきます。

自社の集計ルールの適法性を確認したい、

あるいは1分単位集計に向けた具体的な就業規則改定やシステム運用の見直しを行いたい場合は、

ぜひ当事務所にご相談ください。

 
 

ワールドワイド社労士事務所
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