Date:2025/4/30
こんにちは!ワールドワイド社労士事務所です。
中小企業の人材戦略に大きな影響を与える、キャリアアップ助成金について令和7年4月に変更がありました。
今回はその中で大きな変更があった正社員化コースについて紹介します。
◆キャリアップ助成金とは?
キャリアアップ助成金の正社員化コースとは、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員転換、処遇改善の取り組みを
実施した事業主に対して助成金を支給する制度です。
非正規雇用の方々のキャリアアップを積極的に支援することで、労働者の意欲向上や定着促進、ひいては企業の生産性向上にも繋がることを目的としています。
◆重点支援対象者の導入
今回の改正で最も注目すべきは、「重点支援対象者」という新たな区分が設けられたことです。
これは、正社員としてのキャリア形成を特に支援する必要があると考えられる労働者を正社員化する企業に対し、
より手厚い助成を行うものです。
重点支援対象者に該当するのは、以下のいずれかの条件を満たす有期雇用労働者です。
a: 雇入れから3年以上の有期雇用労働者
b: 雇入れから3年未満で次の①②いずれにも該当する有期雇用労働者
- ① 過去5年間に正規雇用労働者であった期間が1年以下
- ② 過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない
c: 派遣労働者、母子家庭の母等または父子家庭の父、人材開発支援助成金の特定訓練修了者
※雇用された期間が通算5年を超える有期雇用労働者については無期雇用労働者とみなされます。
◆支給額の変更
【重点支援対象者】
有期 → 正規:80万円(40万円×2期)
無期 → 正規:40万円(20万円×2期)
【重点支援対象者以外】
有期 → 正規:40万円(40万円×1期)
無期 → 正規:20万円(20万円×1期)
これまで多くの企業では「有期雇用で採用し、6か月後に正社員へ転換する」という流れで、キャリアアップ助成金(2期分・最大80万円)を活用していました。
しかし、2025年度からは重点支援対象者に該当しない場合、1期分の支給にとどまり、助成額も半額へと減額される点に注意が必要です。
◆注意点
令和7年度の変更は、令和7年4月1日以降に実施される正社員転換や賃金規定改定などの取り組みから適用されます。
令和7年3月31日までに取り組みが完了した場合は、令和6年度の制度が適用されます。
申請にあたっては、必ず厚生労働省の最新の情報を確認してください。
◆まとめ
キャリアアップ助成金は、人材不足が深刻化する現代において、中小企業が優秀な人材を確保し、
育成するために大いに活用すべき制度です。
特にこれまで非正規雇用で活躍してきた従業員の正社員化は、即戦力となる人材の確保に繋がり、
組織全体の活性化にも貢献します。