Date: 2026-04-20
こんにちは、ワールドワイド社労士事務所です。
体調不良などで長期間休職していた社員が、残念ながら復職することなく休職期間を満了した際、
どのような形で雇用関係を終了させるべきかは、労務管理における非常に難しい問題です。
就業規則には「自然退職(当然退職)」と書かれていることが多いですが、
離職票上の扱いは「解雇」と「自己都合」のどちらに近いのでしょうか。
実務担当者が知っておくべきポイントを整理します。
■ 「自然退職」の意味を正しく理解する
多くの就業規則では、「休職期間が満了し、なお復職できないときは満了をもって退職とする」
いわゆる自然退職規定が設けられています。
これは法的には「解雇」ではなく、「契約期間が満了したことによる労働契約の終了」
とみなされます。
しかし例外もあります。
本人が「復職できる」と言っているにもかかわらず、会社が無理やり満了させた場合は、
実質的に解雇とみなされることがあります。
医師の診断書の有無や、会社側が復職のための努力(軽作業への配置転換など)を
尽くしたかどうかが重要になります。
■ 離職票上の扱い:基本は「特定理由離職者」
一番の関心事は、ハローワークでどう扱われるかです。
休職期間満了による退職は、離職票を発行する時点では自己都合退職扱いですが、
離職票をハローワークの給付課に提出した際、
「病気で退職せざるを得なかったが、現在は仕事ができる状況である」と本人が申し出ることで、
医師の証明等で審査が実施され、認定されると「特定理由離職者」となります。
この区分になると、会社都合と同様に3ヶ月の待機期間なしで失業保険(基本手当)が受け取れる
事が出来ます。
会社側は離職票に「休職期間満了による自然退職」と事実を記載、以下書類を準備して
手続きを実施します。
・就業規則の写し(休職の部分)
・休職に関する通知書(満了通知)
■ 解雇予告手当は必要なのか
自然退職であれば、原則として「30日前の予告」や「解雇予告手当」は不要です。
あらかじめ決まっていた期間が終了しただけだからです。
ただし、円満な終了を目指すならば、
休職期間が終わる数週間〜1ヶ月前に本人へお手紙などで連絡を取り、
「〇月〇日で期間が満了しますが、現在の回復状況はいかがですか。就業規則に則り退職となります」
と、再三の確認を行うことが予期せぬトラブルを回避するマナーと言えます。
■ 後の訴訟を防ぐ「終了通知」の書き方
休職期間満了時は、単に「辞めましたね」で終わらせてはいけません。必ず書面に残しましょう。
・休職開始からこれまでの経緯の記録
・リハビリ出勤や面談の有無、本人の申出内容
・産業医や主治医の判断の記録
・これらを総合した結果、契約終了に至ったという法的妥当性
これらを「労働契約終了通知書」という形で本人に手渡しまたは郵送し、
会社側としても証拠を保存しておくことが重要です。
特にメンタル疾患の休職では、後に「いや、あの時は戻れたはずだ」と裁判になるケースが多いため、
手続きの全形を可視化しておきましょう。
■ さいごに
社員が病気で去っていくのは、会社として寂しいことです。
しかし、だからこそ最後に会社が見せる姿勢が重要です。
制度を正しく使い、失業保険などで不利益が出ないよう配慮しながら、
誠実に契約を終了させる。これがその社員に対する最後の誠意であり、
会社としての社会的評価を守る道です。
手続きの進め方で少しでも不安があれば、ぜひ当事務所にご相談ください。
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