Date: 2026-04-23
こんにちは、ワールドワイド社労士事務所です。
雇用保険の加入条件で最も有名なのが「週20時間以上」というルールです。
しかし、現場ではこんなことがよく起きます。
「週18時間の契約で雇っているアルバイトが、繁忙期の月だけシフトが増えて週25時間働いた」。
この場合、すぐに雇用保険に入れるべきでしょうか?
逆に「一時的なら不要」と判断して放置していたらどうなるのか。
さらに今後予定されている大きな法改正についても触れながら、
アルバイトの契約と雇用保険の微妙なラインを解説します。
■ 「一時的」か「恒常的」かが運命の分かれ目
雇用保険の判断基準は、あくまで「契約上の所定労働時間」です。
一週間だけ忙しくて20時間を超えたとしても、
翌週からまた18時間に戻るのであれば、それは「一時的な増加」であり、
すぐに雇用保険に入れる必要はありません。
しかし問題は、「事実上の働き方がずっと20時間を超え続けている」状態です。
ハローワークの調査では、直近3ヶ月の平均や、実態としてどのような指示を出し続けていたかが見られます。
契約書は18時間のままでも、実態が3ヶ月連続で25時間を超えていれば、「最初から20時間以上の契約にすべきだった」とみなされます。
■ さかのぼって加入させるべきケースとは?
もし、月の中で働き方が変わり、今後は月間20時間を確実に超えていくことが見込まれるようになった場合は、実態が変化したその日から加入手続きを行います。
会社が最も警戒すべきは、「退職時のトラブル」です。
退職するアルバイトが「自分は週20時間以上ずっと働いていたのに、なぜ離職票がもらえないのか」とハローワークに駆け込むと、ハローワークから会社に調査が入ります。
そこで「加入漏れ」が発覚すると、2年分をさかのぼって保険料を徴収され、さらには延滞金などのペナルティが課されることもあります。
■ 2028年改正!「週10時間以上」への大幅拡大
さらに、重要な法改正が控えています。
現行の「週20時間以上」という条件は、2028年10月から「週10時間以上」に引き下げられることが決定しています。
つまり、これまで加入対象外だった「週2回・短時間」のパート・アルバイトの方々も、かなりの方が雇用保険に入ることになります。
これは、短時間で働くギグワーカーや多重就業者が増える中、セーフティネットを広げるための大きな転換点です。
今のうちから「10時間」というラインを意識した労務管理が必要です。
■ 不必要な保険料逃れが招く「是正勧告」のリスク
「手取りが減るから保険に入りたくない」と従業員から言われることもあるでしょう。
しかし、強制加入が原則の社会保険において、従業員の拒否は有効な理由になりません。
労働局や年金事務所の調査では、賃金台帳と契約書の不一致は即座に見抜かれます。
不必要な保険料逃れを図った結果、多額の追加保険料の徴収だけでなく、是正勧告を受けたり、助成金への影響が出る事も有り得ます。
「一時的だから…」という甘い判断を積み重ねるのではなく、
実態の変化を素早くキャッチし、適切に手続きを進めることが、健全な経営への近道です。
■ さいごに
アルバイトの労働時間管理は、毎月のシフト管理とセットで非常に手間がかかる部分です。
しかし、そこを疎かにすると、2028年10月の法改正でパニックに陥る可能性があります。
今のうちからしっかりとした「加入基準」を社内に作り上げましょう。
ワールドワイド社労士事務所
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