Date:2024/12/25
こんにちは、ワールドワイド社労士事務所です。
子どもが生まれて育児休業をしている期間には、
雇用保険から「育児休業給付金」(原則、子が1歳、最長2歳まで)の給付を受けることができます。
その育児休業の期間中にもしも大きなケガや病気をしてしまった場合、
どのような保障が受けられるのでしょうか。
今回は「育児休業中の傷病手当金の受け取り」についてお伝えします。
育児休業給付金と傷病手当金は同時に受け取ることが可能!
育児休業期間中の傷病手当金については、厚生労働省から以下のような通達が出ています。
◯育児休業期間中の傷病手当金
「傷病手当金又は出産手当金の支給要件に該当すると認められる者については、
その者が育児休業期間中であっても傷病手当金又は出産手当金が支給されるものであること。
なお、健康保険法の規定による傷病手当金又は出産手当金が支給される場合であって、
同一期間内に事業主から育児休業手当等で報酬と認められるものが支給されているときは、
傷病手当金または出産手当金の支給額について調整を図ること
(平成4年3月31日保険発第39号・庁文発第1243号)」
つまり
育児休業中であっても、傷病手当金の要件を満たせば(つまり労務不能なケガや病気であれば)、
健康保険の傷病手当金を受け取ることができる
ということです。
さらに、育児休業給付金・傷病手当金ともに、金額の調整(減額)も起こりません。
出産手当金を同時に受け取っている場合
一方で、産前産後休業中には傷病手当金と同じ健康保険組合から出産手当金の申請が可能です。
出産手当金と傷病手当金が同時に申請できるような状況の場合については、協会けんぽから以下のようなアナウンスがされています。
両方を受給できる期間は、出産手当金のみ支給されます。
ただし、傷病手当金と出産手当金は、その支給日額が異なる場合がありますので、
出産手当金の額が傷病手当金の額よりも少ない場合には、
傷病手当金を請求することにより、出産手当金との差額が支給されます。(傷病手当金について|協会けんぽ)
つまり、基本的には出産手当金の給付が優先されるため、傷病手当金は支給されないというのが原則です。
ただし、傷病手当金の原因となる傷病発生日の関係で、傷病手当金の日額の方が高くなるようでしたら、
差額が支給される場合もありますので、
算定のタイミングによっては出産手当金と傷病手当金の両方を申請した方が良いケースもあります。
まとめ
育児休業期間中に大きなケガや病気をされた場合、育児休業給付金と傷病手当金は同時に申請し、受け取ることが可能です。
一方で、産前産後休業中の出産手当金と傷病手当金では、出産手当金の給付が優先されます。
育児休業中に、動けないようなケガや病気にかかったと従業員から相談があった場合は、
育児休業給付金に加えて、傷病手当金の申請もしましょう。