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【2025年7月10日〆切】パートの方の算定基礎届で気をつけること

Date:2025/06/25
こんにちは、ワールドワイド社労士事務所です。

今回は、パートや短時間労働者の算定基礎届の書き方についてご紹介します。

 

パートや短時間労働者の算定基礎届でこんなお悩みありませんか?

7月は、社会保険料の計算のもとになる「算定基礎届」の提出時期で、

例年7月10日が提出の〆切となっています。

従業員が多様な働き方をする中、パートや短時間労働者の算定基礎届の作成で、

お悩みではないでしょうか。

「パート社員の給与計算は複雑で、算定基礎届の書き方がよく分からない…」
「短時間労働者の場合、社会保険の加入条件と算定基礎届の対象が分かりにくい…」
「年に数回しか勤務しないアルバイトの扱いはどうなるのだろう…」

このような疑問や不安はありませんか?

 

厚生労働省の調査によると、企業の約3割が社会保険の手続きに関して「複雑である」と感じているようです。

この記事では、パートや短時間労働者の算定基礎届の正しい書き方を分かりやすく、

具体的なケーススタディを交えながら、よくある疑問にもお答えします。

 

算定基礎届とは?なぜ重要?

算定基礎届の基本を理解しよう

算定基礎届とは、毎年7月1日現在で会社に在籍している従業員の、

4月から6月までに支払われた給与を基に、その年の9月からの社会保険料を決めるための大切な届です。

この届け出をもとに、従業員が負担する健康保険料や厚生年金保険料の金額が決まり、

従業員の将来の年金額にも影響を与えるものとなります。

 

パート・短時間労働者の社会保険加入条件

パートや短時間労働者も社会保険の対象?

「正社員ではなく、パートだから社会保険には入らないだろう」と考えていませんか?

パートや短時間労働者も、一定の条件を満たせば社会保険の加入対象となるため、

企業の社会保険手続きはより複雑になります。

 

社会保険への加入条件(※2025年6月現在)

  • 週の所定労働時間が20時間以上であること
  • 賃金の月額が8.8万円以上であること
  • 雇用期間が2ヶ月を超える見込みであること
  • 学生ではないこと
  • 従業員数51人以上の企業に勤務していること

これらの条件に当てはまるパート・短時間労働者は、算定基礎届の提出対象となります。

 

パート・短時間労働者の算定基礎届の具体的な書き方

基本給以外の手当も忘れずに

算定基礎届では、基本給だけでなく、残業手当や通勤手当、役職手当など、会社から支払われる大半の手当を含めて計算します。

ただし、結婚祝い金や見舞金などの一時的な手当は含まれません。

月額報酬の計算方法

パート・短時間労働者の場合も、正社員と同様に4月から6月までの3ヶ月間の総支給額を3で割って、

1ヶ月あたりの平均報酬月額を算出します。

たとえば、4月の総支給額が10万円、5月が12万円、6月が11万円だった場合、合計は33万円です。

これを3で割ると、平均報酬月額は11万円となり、この金額を基に標準報酬月額が決定されます。

日数に対する注意点

算定基礎届の対象となる月は、給与の支払い基礎日数が17日以上の月です。

パートや短時間労働者の場合、月の途中で入社したり、欠勤が多かったりすると、この日数を満たさない場合があります。

もし、4月から6月の間に給与の支払い基礎日数が17日未満の月がある場合は、その月は算定基礎の対象月には含めません。

代わりに、その月を除く直近の3ヶ月や、それ以前の報酬月額で算定することになります。

ただし、これらの例外規定には詳細なルールがあります。

そのため、必ず年金事務所や社会保険労務士に確認しましょう。

なお、特定適用事業所(2024年10月以降は51人以上の従業員が勤務している企業)に勤務する短時間労働者の場合は、

支払い基礎日数が11日以上の月が算定基礎の対象となります。

該当する事業所の担当者は、この点に特に注意が必要です。

育児休業等終了時改定の対象になる場合

育児休業から復帰した従業員は、元の給与から変更されていることがあります。

この場合、算定基礎届ではなく、「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出します。

なぜなら、休業前とは報酬が大きく異なるため、速やかに社会保険料を改定する必要があるからです。

該当する従業員がいる場合は、この届出の提出を忘れないようにしましょう。

 

よくあるQ&A

Q1: 短期間だけ働くアルバイトは算定基礎届の対象ですか?

A1: 社会保険の加入条件を満たさない場合は、算定基礎届の対象外です。

具体的には、週の所定労働時間が30時間未満(特定適用事業所の場合は20時間未満)の場合などが該当します。

したがって、個々の契約内容を確認することが重要です。

Q2: 4月から6月の間に給与体系が変わったパート社員はどうすればいいですか?

A2: 給与体系が変わった場合でも、実際に支払われた4月から6月までの報酬を基に計算します。

ただし、大幅な変動があった場合は、月額変更届の提出も検討が必要です。

なぜなら、算定基礎届だけでは実態に合わない社会保険料になる可能性があるからです。

Q3: 算定基礎届を出し忘れた場合はどうなりますか?

A3: 提出期限を過ぎてしまうと、年金事務所から催促が来ます。

それに加えて、適切な社会保険料が徴収されないことになります。

したがって、速やかに提出しましょう。

まとめ

パートや短時間労働者の算定基礎届は、複雑に感じるかもしれません。しかし、基本を理解し、正しい手順で進めれば、決して難しいものではありません。

最も重要なのは、社会保険の加入条件を正確に把握することです。

それに加えて、報酬月額の計算方法を正しく適用することです。

これらのポイントを押さえることで、ミスのない算定基礎届を作成できます。

正確な手続きは、従業員の安心にもつながります。そして、企業の健全な労務管理にも貢献します。

 

本記事の内容に関して、さらにご不明な点やご不安な点がございましたら、

お気軽にワールドワイド社労士事務所までご相談ください。

貴社の状況に合わせた最適なサポートを提供いたします。

 【参考URL】

日本年金機構:算定基礎届の提出

厚生労働省:社会保険適用拡大特設サイト

 

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