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ケガ人がいなくても報告が必要?労災事故報告書について解説

Date:2025/12/27

こんにちは、ワールドワイド社労士事務所です。

多くの人事・総務担当者にとって、労災の報告といえば従業員がケガをした際の報告(死傷病報告)

を思い浮かべる方が多いでしょう。

しかし、実は誰もケガをしていなくても、特定の事故が発生しただけで労働基準監督署への報告が

義務付けられているケースがあることをご存知でしょうか。

本日は労災発生時にどんな報告が必要かについて紹介します。

労災事故報告書(様式22号)について

工場や建設現場などで、機械の破損や火災が発生した際、幸いにも周囲に人がおらず、

負傷者がいないことがあります。

「誰もケガをしていないし、社内処理だけで済ませよう」と判断してしまいがちですが、

労働安全衛生規則(第96条)では、以下のような事故が発生した場合には、負傷者の有無に関係なく、

遅滞なく、労災事故報告書(様式第22号)を労働基準監督署に提出しなければなりません。

1. 火災・爆発・破裂に関する事故

  • 事業場内での火災または爆発

  • ボイラーや圧力容器の破裂、煙道ガスの爆発

  • 遠心機械や研削といしなど、高速回転体の破裂

2. クレーン・リフト等の重機事故

  • クレーン、移動式クレーン、デリックの倒壊、転倒、ジブ(腕)の折損

  • ワイヤロープや吊りチェーンの切断

  • エレベーターや建設用リフトの搬器(カゴ)の墜落

3. 建設物や工作物の倒壊

  • 建設物そのものや、煙突、高架水槽などの倒壊
  • 機械集材装置や索道(ケーブルカー等)の索の切断

 

虚偽の報告をした場合や報告をしなかった場合には、法律違反として

50万円以下の罰金に処せられると定められています。

これらの事故は、一歩間違えれば大惨事につながる「重大な予兆」とみなされます。

そのため、労働基準監督署は事故の背景を調査し、再発防止を指導する必要があるのです。

混同しやすい「死傷病報告」との違い

労災事故報告書は負傷者の有無に関わらず、報告が必要となりますが、

労働者死傷病報告は労働者が労災により死亡、あるいは休業した場合に提出が求められます。

労働者死傷病報告は死亡または休業期間により、提出タイミングが異なります。

1.[死亡又は休業4日以上の場合]

・・・遅滞なく提出

2.[休業4日未満の場合]

・・・それぞれの期間における最後の月の翌月末日までに提出

1月~3月の災害 ⇒ 4月末日まで

4月~6月の災害 ⇒ 7月末日まで

7月~9月の災害 ⇒ 10月末日まで

10月~12月の災害 ⇒ 翌年1月末日まで

 

以前のブログ記事:【労働者死傷病報告】電子申請義務化について

 

 

まとめ:設備事故の報告漏れを防ぐために

「労働者死傷病報告」だけでなく、「事故報告(様式22号)」の存在を正しく理解しておくことは、

企業の危機管理において非常に重要です。

  • 火災、爆発、クレーンの破損などは、ケガ人がいなくても報告が必要。

  • 設備事故と人身事故が同時に起きた場合は、両方の報告書を提出する。

  • 「遅滞なく」が原則。判断に迷ったらすぐに専門家へ相談する。

まずは自社の安全管理規定に、これら「特定事故」が発生した際の連絡フローが組み込まれているか、今一度確認してみましょう。

本記事に関するご不明点や、労働災害・事故発生時の対応でお困りのことがございましたら、

労働基準監督者もしくは社会保険労務士にご相談下さい。

 

参考資料

・労働基準監督署:「事業場における事故や労働災害の報告について」

 

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