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法人の休眠中、社会保険ってどうなる?

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Date:2026/3/30

こんにちは、ワールドワイド社労士事務所です。

会社の「休眠」を検討している総務・人事担当者の方、社会保険料に関するお悩みはありませんか?

「いつまで保険料が発生するのだろう?」

「どんな書類を、いつまでに提出すれば保険料の支払いを止められるのだろうか?」

といった疑問を抱えている方は少なくないでしょう。

特に、法人を「休眠」させる際、社会保険の手続きを適切に行わないと、

事業活動が停止しているにもかかわらず、無駄な社会保険料が発生し続けてしまう可能性があります。

本記事では、法人の休眠時に社会保険料の支払いを適切に停止するためのカギとなる

「健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届」(通称:全喪届)に焦点を当て、

その提出タイミングや必要書類、手続き上の注意点について、分かりやすく解説します。

 

「休眠」と「廃業」の違いを理解する

会社の事業活動を停止する際には、「休眠」と「廃業」という二つの選択肢が考えられ、

社会保険の適用においては、その違いを正確に理解しておくことが重要です。

 

1. 法人登記上の「休眠」と「廃業」

「休眠」とは、法人格は存続させながらも、事業活動を一時的に停止する状態を指します。

将来的な事業再開を見越している場合に選択されることが多く、法務局への届出により、

会社を休眠状態にできます。

一方、「廃業」とは、会社自体を清算し、法人格を完全に消滅させる手続きです。

 

2. 社会保険適用事業所としての「廃止」

社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用事業所としての扱いは、

法人登記上の「休眠」や「廃業」とは直接連動しない点に注意が必要です。

重要なのは「事実上の事業活動の停止」です。

従業員が全員退職し、給与支払いがなくなり、事業実態がなくなった時点が、

社会保険の適用が終了する重要なタイミングとなります。

登記上は休眠状態であっても、社会保険の被保険者が一人でも残っていれば、

保険料の支払い義務は発生し続けます。

 

社会保険の「全喪届」とは?提出のタイミングと必要書類

社会保険料の支払いを適切に停止するためには、

「健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届」の提出が不可欠です。

この届出について詳しく見ていきましょう。

 

1. 全喪届の目的と提出義務

全喪届は、事業所が社会保険の適用事業所に該当しなくなった場合に届け出る書類です。

提出義務は、全従業員(役員含む)が退職し、社会保険の被保険者がいなくなった日

(事実上の事業廃止日)から5日以内です。

期限を過ぎると、事業実態がないにもかかわらず保険料が発生し続けるリスクがあります。

 

2. 提出が必要な書類

主な添付書類は、健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届法人登記簿謄本(履歴事項全部証明書)

解散決議議事録(解散の場合)、事業活動の停止を示す書類(最終の賃金台帳や従業員の退職証明書など)です。

状況に応じて必要な書類が異なりますので、事前に確認しましょう。

 

3. 提出先と注意点

提出先は、事業所の所在地を管轄する日本年金機構の事務センター、または年金事務所です。

提出遅延は、事業実態がない期間の社会保険料請求につながる可能性があるため、早めの手続きを心がけましょう。

書類不備がないよう、事前に確認することをお勧めします。

 

全喪届提出後の保険料と手続き上の注意点

全喪届を提出した後、保険料がどのように扱われるのか、またその他の関連手続きについて解説します。

 

1. 社会保険料の停止時期と計算

全喪届受理後、社会保険料は原則被保険者資格喪失日が含まれる月の前月分まで発生します。

社会保険料は「月末在籍主義」のため、月の途中で資格喪失した場合、その月の保険料は発生しません。

 

2. 被保険者資格喪失届と健康保険証の返却

全喪届と同時に、全被保険者の「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を提出し、

資格を喪失させます。

資格喪失後、速やかに健康保険証を返却し、個人で国民健康保険などへの加入手続きが必要です。

 

3. 雇用保険に関する手続き

従業員がいた場合、ハローワークへ「適用事業所廃止届」を提出し、従業員には離職票を発行します。

これにより失業給付の申請が可能になります。社会保険と並行して速やかに行いましょう。

 

4. 事業再開時の注意点

将来的に事業を再開する可能性があれば、「休眠」を選択していることが多いでしょう

再開時には改めて社会保険の適用事業所としての届出、「健康保険・厚生年金保険新規適用届」が必要です。

 

5. 未払い保険料の確認と精算

全喪届提出前には、未払い社会保険料がないか確認し、速やかに精算しましょう。

未払いがあると、後日督促や遅延損害金発生の原因となります。

特に社会保険の手続きは、適切な時期に適切な書類を提出しないと、無駄な保険料の支払いが生じたり、

従業員に不利益が生じたりする可能性があります。

本記事でご紹介した「健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届」は、

社会保険料の支払いを適切に停止するためのカギとなる書類です。

事実上の事業活動停止日から5日以内という提出期限を厳守し、

必要書類を漏れなく準備することが非常に重要となります。

また、従業員がいた場合は、資格喪失届や健康保険証の返却、雇用保険の手続きも忘れずに行いましょう。

複雑な手続きや判断に迷う場合は、ぜひ専門家である社会保険労務士にご相談ください。

ワールドワイド社労士事務所では、皆様の会社の状況に合わせた最適なアドバイスとサポートを提供し、

スムーズな手続きを支援いたします。

 

参考資料:
日本年金機構「適用事業所が廃止、休止等により適用事業所に該当しなくなったとき

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