毎日お疲れ様です。新型コロナウイルスへの対応に明け暮れ、夜遅くまで国民の皆さんの為に頑張ってくれているんだと思います。
弊社でもコロナの自粛による影響を受けている中小企業に対し、雇用を維持できるようにサポートをしています。
毎日、雇用調整助成金の相談が多数寄せられるのですが、リーマンショックの時との違いが、今回はサービス業が中心に影響を受けている点です。サービス業はシフト制で運営されている会社が多くパート比率も高いにも関わらず雇用調整助成金を申請する際に今年度と昨年度の年間カレンダーの提出を求められます。
パートタイマー等で所定労働日数が人によって違い、年間カレンダーで対応できない場合は、人毎に年間所定労働日数を算出して加重平均をとるといった途方もない作業をする必要があります。365日運営しているような店舗は事務職みたいに週毎に労働時間がしっかりと決まっているような仕組みにはなっていません。
また、サービス業は多店舗展開されている会社が多いです。弊社の顧問先でも100店舗くらい展開しており、パートやアルバイトが1000人くらいいる会社があります。にも関わらず拠点毎に従業員代表を選任するための選任届の提出が求められます。
もう既に休業している中、100店舗1000名から署名捺印を回収するのは、その作業だけで1か月近くの時間が必要です。そもそも休業手当を支払うのに労使協定は必要でしょうか?
解雇をしていない中小企業には休業手当の9/10を支給するとしていますが、1日の上限金額は8330円となっており、実際には月給の6割程度しか支給されません。支給されるのは非常に有難いですし、助成金の算定金額の根拠は合理的だとは思います。ただ、これだけややこしいことをしても、結局上限に当たり8330円になる。
この無駄な作業があるせいで、経営者が理解出来ず社労士に連絡する。社労士は申請書の意味は理解できるが多様な働き方を書面に落とし込むことができず、労働局に連絡する。労働局は問い合わせが殺到し対応できない。労働局も結局判断出来ず、本省への問い合わせとなる。本省でも問い合わせが多すぎて、日々方針が変化していくため対応できない。結果なかなか連絡が来ないため、経営者は誰に対してどれだけの休業手当を支払うべきかの判断ができない。
このような負のループになっています。この問い合わせに生産性は全くなく、ついこの前まで働き方改革を推進していたはずが、現場では無駄なやり取りが一日中続いています。
雇用保険非加入の従業員にも補償するとのことですが、それだったら実際に支給した休業手当の総額の9/10を支給するとかじゃダメですか?上限を設けるのであれば、最後に休業延日数に8330円を掛ければ良くないですか?
このまま煩雑な仕組みのまま進めていくと、サービス業を中心とした中小企業は対応できません。方針が発表されるのは良いのですが、わかりやすい仕組みで伝えないとそろそろ解雇が発生します。
まだ詳細が発表されていない国の支援策が沢山ありますが、どうかシンプルな仕組みであることを祈ってます。