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【健康保険】別居中の親を扶養に入れるための「送金証明」【被扶養者検認】

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Date: 2026/4/17
 
こんにちは、ワールドワイド社労士事務所です。

毎年、健康保険組合から届く「被扶養者検認(検認)」の通知。

人事担当者様にとっても、必要書類の回収に追われる大変な時期かと思います。

中でも、審査が厳しく、指摘を受けやすいのが「別居している両親」の扶養維持です。

特に「仕送り(送金)」の実態がどう判断されるかが、分かれ目となります。

 

 


 

■ 別居の親を扶養に入れるための「2つの大原則」

 
 

同居していない親を扶養に入れるには、健康保険法上、極めて明確な条件があります。

1. 収入条件:親の年収が130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)であること。
2. 仕送り条件:被保険者(社員)からの仕送り額が、親の収入額よりも多いことかつ、親の生計を維持するのに十分な額であること。

この第2の条件が難敵です。

例えば、お父様の年金が月10万円ある場合、息子さんからの仕送りは月10万1円以上の実績がないと、原則として扶養には認められません。

「足りない分を少し助けている」程度では、健康保険法上の「生計維持」とはみなされないのです。

 
 

■ 「手渡し」はNG?認められる送金方法と証拠書類

 
 

「帰省した時に現金で渡している」「一緒に出かけた時に買い物を代行している」……

これらは、残念ながら多くの健保組合で証拠として認められません。

検認の際に求められるのは「客観的な事実」です。

証拠書類として有効なのは、銀行振込の控え、通帳のコピー、現金書留の控えなどに限られます。

さらに、「毎月など定期的」に行われていることが重要です。

半年に一度まとめて渡すといった方法は、生活費の維持としては不適切と判断されるリスクが高いです。

もし現在「手渡し」で仕送りをしている社員がいる場合は、即刻「履歴が残る振込」に切り替えるようアドバイスすべきです。

 
 

■ 送金額はいくら必要?「親の収入」とのバランス

 
 

前述の通り、「仕送り額 > 親の収入」が基本ラインですが、健保組合によっては「最低でも月5万円以上」などの独自基準を設けているところもあります。

また、親が複数(父・母)いる場合、世帯全体の収入と、一人あたりの仕送り額がどう配分されているかもチェックされます。

さらに盲点なのが、親に「一定以上の資産」がある場合です。

たとえ年収が低くても、立派な持ち家があり預貯金が豊富であれば、「生計維持の必要性がない」とされることもあります。

検認は単なる形式的な確認ではなく、実態に即した「厳格な審査」であることを社員に周知しておく必要があります。

 
 

■ 検認で否認されないための日常の備え

 
 

検認で否認されると、遡って扶養から外れることになり、その期間に健保が負担した医療費の返還(7割分)を求められます。

これは家族にとって非常に大きな負担となります。

対策として、社員には以下のことを徹底させましょう。
振込履歴を必ず保存しておく(通帳を記帳し、紛失しない)。
親の非課税証明書などを定期的に確認する。年金改定で収入が増え、基準を超えていないかをチェック。
「生活状況申告書」を誠実に書く準備をさせる。なぜ別居しているのか、なぜこの金額なのかを説明できるようにしておく。

 
 

■ さいごに

「別居中の親の扶養」は、健康保険の中でも最もトラブルが起きやすい領域です。適正な運用を怠ると、いざという時に社員が困ることになりますし、会社としての管理能力も問われます。検認の書類作成で迷うことがあれば、健保組合ごとの微妙な判断基準の違いを含め、当事務所がアドバイスさせていただきます。

 
 

ワールドワイド社労士事務所
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