Date:2026/2/2
こんにちは、ワールドワイド社労士事務所です。
近年、グローバル化に伴い、海外拠点で勤務中に出産したり、里帰り出産として海外の実家へ戻る
ケースも見受けられる様になりました。
このような場合に「出産・育児に関する給付金を同じように受けれるのか?」「手続きはどうすれば良い?」
と不安に感じる担当者様も多いのではないでしょうか。
今回は海外出産した際の、出産手当金・出産育児一時金・育児休業給付金の手続きにおけるポイントを
解説いたします。
海外出産でも出産・育児に関する給付金を受けられる?
海外での出産であっても、日本の社会保険・雇用保険に加入していれば、
国内での出産と同様に各給付金を受け取ることが可能です。
ただし、日本の制度に基づく申請が必要なため、海外現地の証明書類を揃えるなど、
国内申請とは異なる注意点があります。
それぞれの給付金について確認していきましょう。
【出産育児一時金】
●支給額について
現在、国内での出産に対しての支給額(産科医療補償制度加入分)は50万円ですが、
海外出産の場合は48万8千円となります。
これは、海外の病院が日本の産科医療補償制度の対象外であるためです。
●直接支払制度は利用できない
国内では医療機関へ直接支払われる制度がありますが、この制度は海外の病院では利用できません。
一度ご自身で出産費用を全額支払い、
後日、加入している健康保険組合や協会けんぽに請求する形になります。
●必要な書類
① 健康保険出産育児一時金支給申請書
② 出産を担当した海外の医療機関等の医師または助産師の発行した証明書
③ ①②の日本語翻訳文(翻訳者の氏名・住所・電話番号を記載)
④ 海外出産の事実、内容について、協会けんぽが当該海外出産を担当した
海外の医療機関等に照会することに関する当該海外出産をした者の同意書
※協会けんぽHPに指定様式があります。(URL:協会けんぽHP)
⑤ 出産した日において、実際に海外に渡航していた事実を確認出来る書類
(パスポート、ビザ、航空チケット等の写し
(注意点)
・①②④につきましては原本提出が必須となります。
・①の「医師、助産師による証明」欄は、現地の医療機関に記入してもらう必要があります。
代筆は認められません。
【出産手当金・育児休業給付金】
基本的には国内での出産の際と、同様の申請手順、提出書類となります。
ただし提出資料の中で現地語での記載がある部分については、
日本語翻訳文(翻訳者の氏名・住所・電話番号を記載)を作成する必要があります。
また出産手当金の審査は、出産育児一時金の資料を確認するケースが多いため
出産育児一時金と出産手当金申請を同時期に実施する方が、審査機関は助かるとの事です。
まとめ
〈重要ポイント〉
・出産育児一時金、出産手当金、育児休業給付金はいずれも受給可能。
・海外書類には必ず「日本語の翻訳文」が必要。
・一時金の「直接支払制度」は利用できず、事後の現金給付となる。
海外出産であっても、日本の社会保障制度は働く従業員をサポートしてくれます。
まずは自社の従業員から海外出産の相談があった際、現在の加入状況と必要書類を早めに案内
することから始めてみましょう。
本記事に関するご不明点や、労務管理全般でお困りのことがございましたら、
お気軽にワールドワイド社労士事務所までご相談ください。
参考資料
・協会けんぽHP【子どもがうまれたときは出産育児一時金が受けられます】
・協会けんぽHP【出産で会社を休んだとき】
・厚生労働省HP【育児休業等給付について】

